お湯にアイスボールを入れると・・・

4年生は理科「もののあたたまりかた」で、金属や水の温まり方について学習してきました。
金属の温まり方ではどの子もだいたい予想通りだったようですが、水の温まり方については大きく予想が外れた子供がほとんどでした。
試験管の中央を火で温めたときの温まり方で、数人の子供が上から順に温まっていくと予想しましたが、火よりも下の部分も温まっていくだろうと考えていました。
すごく意外なことですが、温まりません。

感熱液の変化の様子です。

感熱液の変化の様子です。

その原因を、コーヒー粉の動きで見ると、火よりも下の部分の水は動かないのに対して、火よりも上の部分の水は渦を巻くように動いているのが分かります。
いわゆる対流です。
感熱液ではわかりにくい部分が分かりました。

上半分の水が対流している様子です。

上半分の水が対流している様子です。

これら学びを基にして、今日はお湯にアイスボール(プラスチック球に水が入っている物を凍らせた物)を入れると、お湯はどのように冷えていくのか考えていきました。
子供たちの予想としては「お湯の上面に浮かんでいるアイスボールのすぐそばから冷えていくだろう」とするものや、「水の温まっていく逆の順だろう。つまり、下から順に冷えていくだろう」とするもの、「いっぺんのドーッと冷えるだろう」とするものなどさざまでした。
いずれの予想にも、子供なりの根拠がありました。
それは、これまでの実験事実から考えたものでした。
さて予想、仮説を出し合った後は実験です。
どうなるのか、子供たちは興味津々。
じっくりと見つめていきました。
IMG_9199 IMG_9202 IMG_9204IMG_9208子供たちからは
「温めたときに見られたような『背骨のような筋』が見える!」
という声があちらこちらから聞かれました。
子供たちが言っていた「背骨のような筋」とは、下の写真の様な物です。

「背骨のような筋」(アイスボールから下がっていく青い筋)

「背骨のような筋」(アイスボールから下がっていく青い筋)

アイスボールによって冷やされたお湯が下へと動いていきました。
水は、下から順に冷えていく様子がよく分かったようでした。

この水の温まり方や冷え方の学習の活用問題として、次のような問題を出しました。
「水槽の中央に仕切りを上から入れ、半分にはお湯、もう半分には水を入れ、その仕切りを外していくとお湯と水はどうなると思う?分かりやすくするために、お湯には食紅で赤く色を着けます。」
子供たちは、これまでに学んできたことを生かして考えました。
予想として多くの子供たちが「上下に分かれて、上にはお湯、下には水が来るだろう」としました。
また「いや、そんなに上手く分かれはしないだろう。きっと混ざり合うだろう」と考える子もいました。
いよいよ実験です。
子供たちも注目しました。
そーっと仕切りを外しました。すると・・・IMG_9222 IMG_9224 IMG_9225仕切りを外した瞬間に水はお湯の下へ、お湯は水の上へ移動を始め、最後には上にお湯、下に水と2層に分かれました。
予想が当たった子供も、外れた子供も、この結果には驚いていました。