6年生は理科の時間に「もののもえ方」について学習しています。
最初に粘土の上に立てた一本のろうそくに火をつけた状態を見せました。
「このまま放っておくとどうなる?」
全員がろうそくがなくなるまでそのままだと考えていました。
続いて、底を切ったペットボトル(キャップは付いている状態)を1本用意しました。
「このキャップが付いているペットボトルを、火のついているろうそくの上にゆっくりかぶせるとどうなると思う?」
子供たちに問いました。
ここで子供たちの考えにズレが生じてきました。
「しばらくすると、消えると思うよ。だって、中の空気がなくなってしまうから。」
「火は今の状態よりも大きくなると思うよ。だって、火の周りの風なんかをペットボトルがブロックするから。」
火が消える条件として、子供たちの多くは「空気がなくなる」ととらえていました。しかし、「火が風等によって消される」ととらえていた子供も何人もいました。
子供たち同士のズレが生じてくると、目の前の実験が楽しみになってきます。
火のついているろうそくに、そっとキャップが付いているペットボトルをかぶせてみました。
結果・・・火はやがて消えました。
これらのことをふまえて次のように問いました。
「今度は、キャップを外したペットボトルをそっと火のついたろうそくにかぶせてみます。ろうそくの火はどうなると思う?」
子供たちは予想やその背景である仮説をノートに集中して書いていきました。
子供たちがもった予想は四つ。
(予想ア)・・・火はすぐに消えるだろう
(予想イ)・・・火はやがて消えるだろう
(予想ウ)・・・火は小さくなるが消えないだろう
(予想エ)・・・火は同じ大きさのまま消えないだろう
ノートに書いたものを、まずは同じグループの友達同士で読んだり質問をし合ったりしました。
その後、クラス全員の分のノートを自由に見ました。
そして、自分のノートに修正や付け加えを書いていきました。
全員の前で予想や仮説を話し合いました。
【予想アの主な仮説・・・4人】
「キャップがないので、外から空気が風のように入り込んできて、その風の勢いで火がすぐに消えるだろう。」
「空気は軽いので上へ行く性質があると思う。キャップが開いているので、ペットボトルの中の空気はそこからペットボトルの外へ出て行くので、キャップが閉まっているときと比べると空気の量があっという間に減ってしまう。だから、すぐに消えると思う。」
【予想イの主な仮説・・・2人】
「ろうそくが燃えることによって、上向きに煙が出て、その勢いがあるので外の空気がペットボトルに入ることをブロックしていると思う。だから、キャップが開いていても閉まっていても同じような結果になると思う。」
【予想ウの主な仮説・・・4人】
「キャップは開いているけれども、ペットボトルがないわけではないので、やはり入ってくる空気の量は少ないと思う。しかし、少ないけれども新しい空気が入ってくるので、火は小さくなりながらも消えないと思う。」
【予想エの主な仮説・・・19人】
「キャップが開いているから、空気がペットボトルの中に入ることができるだろう。だから、ろうそくの火は、ペットボトルがない場合と同じようについているだろう。」
というものです。
子供たちは、実験結果をはやく見たくなっていました。
結果は・・・
予想イの「火は、やがて消える」となりました。
子供たちはこの結果に驚いていました。
次の時間に考察を書き、このことについてさらに追究していきます。