6年生の理科「もののもえ方」の発展学習として、「酸素50%・二酸化炭素50%の中に火のついたろうそくを入れると火はどうなるのか」について考えました。
子供たちは、これまでに学んできている以下の事実を使いながら、考えていきました。
・空気中には窒素が約79%、酸素が約21%、二酸化炭素が約0.03%ある。
・集気瓶の中に空気を入れて、火のついたろうそくを入れると、火はやがて消えて、中の空気は窒素はそのままで酸素が約18%、二酸化炭素が約3%になった。(透明な石灰水が白くにごった)
・窒素100%の集気瓶の中に火のついたろうそくを入れると、すぐに火が消えた。
・二酸化炭素100%の集気瓶の中に火のついたろうそくを入れると、すぐに火が消えた。
・酸素100%の集気瓶の中に火のついたろうそくを入れると、火は激しく大きくなった。
子供たちの予想は以下の通りです。
それぞれの予想を聞くと、子供たちよく考えています。
(予想ア)
「火はすぐに消えると思います。普通の空気を集めた集気瓶の中に火のついたろうそくを入れると火は消えた。でも、このとき、酸素は21%から18%に減っている。18%も残っているのに火が消えるということは、約3%増えた二酸化炭素の影響力が大きいのだと思います。二酸化炭素が3%でも消えるのだから、50%にすると、すぐに消えると思います。」
(予想イ)
「火はやがて消えると思います。二酸化炭素は火を消すのではなく、物を燃やすはたらきがないと考えます。酸素100%だと激しく燃えたから、その半分だと空気中とあまり変わらないような気がするからです。」
(予想ウ)
全員が「なんとなく、とても明るく燃えそう」だというものでした。
いよいよ実験です。
合成空気を作るところから、子供たちは集中してみていました。
その中へ、火のついたろうそくを入れると・・・
「ほら!やっぱり激しく燃えたよ。」
子供たちはこの結果に驚いていました。
実験後、小学校理科で初めて出てくる化学変化について、説明しました。(化学変化という用語は、中学校で学びます。)
火が消えたときに酸素が減った割合と二酸化炭素が増えた割合が同じであることと合致したようでした。
また、「なぜ18%も酸素が残っているのに、火が消えるのか?」という疑問についても、説明しました。
子供たちにとっては、酸素が残っているのに火が燃え続けないということに、これまでの論理との整合性がつかないで悩んでいたからです。
電池だって、「モーターカーには使えなくなっても、リモコンには使える場合がある」という例えを使うと、多くの子供たちがうなずいていました。
(なお、正確には、学校で使っているろうそくの原材料はパラフィンですから、炭素と水素からできています。燃えるとき、水素と空気中の酸素が結びついて水ができます。子供たちには、このことについては、説明しませんでした。)