6年生は理科の時間に水の通り道について調べました。
子供たちは5年生ときに理科で植物の発芽や成長に水が欠かせないことを学びました。
でも本当は、もっと小さい頃から水が必要であることを学んできています。
1年生時の朝顔やサツマイモの苗への水やりを通して、根元に水をやることが大切であることを知っています。
しかし、その水がどうなっていくのか、それについては多くの子供たちが初めて学びました。
「導管染色液」を用いて水がどのような経路を通って行くのか調べました。
人間の血管のように、茎や葉の隅々まで通っていくことに驚いていました。
また、葉の表側よりも裏側の方がよく染まっていることも気が付いていました。
子供たちに
「葉まで行った水は、その先どうなると思う?」
と聞きました。子供たちの予想は
「人間の血管のように、植物の全体を回って、再び根にもどるだろう」
「葉から出て行くだろう」
の二つとなりました。
前者は、血液のことを学んだばかりの子供たちであり、葉のどこを見ても出口になる部分が見あたらないので水が循環して根に戻る説を考えていたのでしょう。
後者は、染色液でよく染まったのが葉の外側のギザギザしているところであることから、そう考えたのかもしれません。
ここでは討論は行わずに、教師から説明しました。
「水は、葉から出て行くんですよ。」
と。子供たちには葉の水の出口(気孔)を顕微鏡を使って観察してもらいました。
人間の口のような気孔がものすごくたくさんあることに驚いていました。
子供たちが見たものはこれです。
次に、しおれたジャガイモの葉を見せて、
「このしおれたジャガイモの葉だけど、元気にするにはどうしたらいいと思う?それとも、元気にならない?」
と問いかけました。
「水に入れればいいよ」
「でも、根がないから水を吸い上げることができなくて、元気にならないよ。」
意見が分かれました。
さっそく、実験しました。
ビーカーに水を入れて、そこへしおれたジャガイモの茎を入れました。
数分間経っても、しおれた状態はあまり変わらないように見えます。
「これ、水を吸ったと思う?」
こう問いかけました。
「吸っている・・・かもしれない・・・でも、なんとなくだけど。」
見た目には分かりません。
そこで、5年生の時に学んだ水の温まり方を調べたことを思い出してもらいました。
水は空気のように温度による体積変化は大きくありません。
しかし、確実に膨張していました。それを調べるために、小さい変化を大きく見ることができるように、体積変化を見るための道具を試験管から細いガラス管へと変えました。
すると、温まった水の体積が大きくなっていく様子がはっきりと分かりました。
今回も、それと同じように道具を工夫しました。
直径1mmのシリコンチューブに水を入れて調べました。
しばらくすると、水がどんどん吸い込まれていく様子が見られました。
蒸散作用をもつ植物の不思議さを体感した時間となりました。