6年生は理科の時間に、水に溶ける気体(二酸化炭素)について学んできました。
気体が水に溶けるという、日常生活ではあまり経験のないことを学んできた子供たちに、次のように問いかけました。
「目の前のペットボトルには水に二酸化炭素が溶けた炭酸水が入っています。溶けた二酸化炭素がもし見えるとしたら、どこにあると思いますか?」
子供たちは、これまでの経験から以下のような予想を立てました。
「水に溶けた二酸化炭素が入っているビーカーを温めると下から泡が出続けたから、きっと下の方に溶けた二酸化炭素がたまっているのだろう。」(18人)
「水に溶けた二酸化炭素は、軽いだろうから上の方にたまっているだろう。」(3人)
「炭酸ジュースのペットボトルには、まわりに泡が付いていた。だから、二酸化炭素はペットボトルのまわりにあるのだろう。」(1人)
「水に溶けた二酸化炭素が入っているビーカーを温めると下から泡が出続けた。ということは、下の方に二酸化炭素があり、さらに上の方へ行った二酸化炭素は上の方にたまっているのではないだろうか。」(2人)
「水に溶けた二酸化炭素が入っているビーカーを温めると下から泡が出続けたから、溶けたあとはやはり軽くなって水の上の水がない部分にたまっているだろう。」(5人)
「炭酸ジュースのペットボトルをあけると、ジュワーって全体に泡が出るイメージがあるから。」(1人)
予想の根拠である仮説を話し合った後、炭酸水の観察をしました。
買ったばかりの炭酸水のキャップを開けてもはっきり分かりません。
しかし、一度あけたキャップを再び閉めて、ボトルを10回ほど振り、泡が落ち着いたところでキャップを開けると・・・
「おおーっ!!」
「すげー!」
至る所で、歓声が沸き上がりました。そこには、炭酸水全体から出現した泡が見られました。
子供たちは何度も何度もこの現象を観察していました。
そのうち、一つのグループから声がかかりました。
「先生、先生。大発見、大発見!」
そのグループのところへ行くと、
「キャップを開けたペットボトルをギュッと押してへこまして、再びキャップを閉めるとへこんだままになるのに、この状態でまたペットボトルを振ると、元のような形にペットボトルが戻るがいぜ!」このおもしろい現象をクラス全体に紹介すると、やはり何度もこの現象を楽しんでいました。
水に溶けていた二酸化炭素が再び溶けることをやめて出てきたことによる現象ですが、子供たちにとっては不思議な現象だったようです。