6年生は理科「電気の利用」において、手回し発電機やコンデンサー、LED、豆電球、ICオルゴール等を用いた学習を行ってきました。
手回し発電機を100回まわしてコンデーンサーに電気をため、それを豆電球やLEDにつなげると、光っている時間に違いはあるのかどうか実験しました。
子供たちの予想は
「予想1 豆電球の方が長い」
「予想2 LEDの方が長い」
「予想3 どちらも同じ」
と分かれました。
予想1としていた子の根拠は「豆電球の方が光っている部分がフィラメントの部分だけだけど、LEDは全体が光っていたから、電気を多く使うと考えるから」といったものがありました。
予想2としていた子の根拠は「豆電球の方がLEDよりも明るく感じたので、電気をいっぱい使うと考えるから」といったものがありました。
予想3としていた子の根拠は「どちらも同じ100回分の電気を使うから、光る長さは変わらない。だって、通る電気は電気でしょ。」といったものでした。
実際に実験してみると、豆電球はクラス平均45秒で消えたのに対しLEDは4分以上たっても消えませんでした。
また、豆電球やLEDに流れている電流の大きさを調べると豆電球が0.1A、LEDが0.02Aでした。
子供たちの多くが考察に、使われる電流の違いが光っている時間の違いだろうと書いていました。
この単元の最初は、モーターに電池をつけて電流を流すとモーターが回るからモーターを回すと電気ができるのだろうかということから入りました。実際に、モーターの軸にひもを付けてコマのように軸を回すとわずかな時間だけですが光りました。
効率よく光らせるために、手回し発電機があることも学びました。
今日は、モーターを使う以外の発電の方法について考えてもらいました。
使った素材は「ペルチェ素子」です。
ちょっと前まで、コンピューターのCPUを冷やすのに使われていました。
ペルチェ素子に電流を流すと片面は熱くなり、もう片面は冷えます。
まずはこの現象を子供たちに体験してもらいました。
なかなかおもしろかったようです。
一通り体験してもらった後、次のように聞きました。
「このペルチェ素子を使ってモーターのように発電することはできないかなぁ?」
各グループ毎に考えてもらいました。
二つのグループから「片方の面を温めると、モーターのように発電するかもしれない」という考えが出ました。
実際に、手で温めてやってみましたが発電は確認されませんでした。(発電したかどうかは、ペルチェ素子につないだICオルゴールが鳴るかどうか出確認しました。)
そこで、もっと温度差を出そうということで、氷を渡しました。
片面を氷、もう片面を手のぬくもりでやってみました。
しかし、オルゴールは鳴りません。
最後に、手のぬくもりではなく片面は熱湯、もう片面は氷にしてみました。
すると、全てのグループのオルゴールが10分以上鳴り響いていました。
そのうち、より音を大きくしようと、氷をペルチェ素子に強く押しつけるグループが出てきました。
実際に大きな音になったので、いろいろなグループにこの方法が伝播していきました。
また、お湯の熱さを長持ちさせようとお湯が入っている入れ物をタオルで巻いているグループも出てきました。
いろいろ考える子供たちに感心しました。
また、次の時間には「スチールウール一本を手回し発電機に挟むと、手応えは何も挟まないときと比べて変わるのだろうか」と問いました。
子供たちの多くは「強く感じるだろう」としていました。
実際にやってみると、ほとんどのグループから驚きの声が上がりました。
それは、手に感じる強さに対する驚きではなく、スチールウールが熱を帯びて切れたことに対する驚きでした。
ここでの学びが、電気の利用で取り組む次の学びへとつながります。